ことのはスケッチ(431) 2014年(平成26年)11月

『ドナルド・キーン先生』

○ 東京北区アンバサダー・北区名誉区民。日本国籍を取得された。アメリカ・ニューヨーク州ブルックリンのお生まれ。
○ 一九四〇年、ニューヨークタイムスクェアの本屋で.アーサー・ウェーリ翻訳の『源氏物語』を見つけられ、「私は読むのをやめることが出来なくて…」と、日本文学研究のきっかけとなられる
○ 一九四二年、米海運日本語学校に入学。日本語を習得され、太平洋戦線の日本語の解読、通訳を勤められる。終戦後、はじめて東京と日光を訪れる。
○ ハーバード大学を経て、ケンブリッジ大学で日本語の講師を努められ、後、日本文学の講義をされた。
○ 京都大学大学院に留学のかたわら「茂山千之丞」に狂言の指導を受けられた。
○ 谷崎潤一郎、川端康成、三島由紀夫、永井道雄、司馬遼太郎…知り合われた。
○ 一九五五年、「奥の細道」の旅をされた。
○ 一九七六年、「日本文学史」の刊行開始。
○ 二〇〇二年、「明治天皇」刊行。
○ 数々の賞を受けられた後、二〇〇八年、文化勲章を受賞される。
○ 二〇一二年、コロンビア大学を退官され、日本国籍を取得された。
○ テレビの映像は、日本国籍を北区区役所で取得されるドナルド・キーン先生のご様子を映していた。
○ 私のすぐ近くに住んでおられることを知り、「三河アララギ誌」をご覧いただきたく、お送りした。直ぐご自筆日本語のお返事を下さいました。「…ところどころしか拝見していませんが、分り易い内容の面白い歌が多いように思いました。これからゆっくり読むこと楽しみにしています…」。私の宝、心の中心にして生きしてゆく。三河アララギを大切に守ってゆく勇気が湧いた。それからずっと厚かましくも月々の三河アララギを先生にお届けさせていただいている。
○ ニューヨークに住んでいる娘の家が、タイムスクエアの近くにあり、ニューヨークに絵を描きにゆくときは、ここ を拠点に、歩き回る。「このあたりで、先生が「源氏物語」に出合われた」ことを思いながら。そしてもう少し歩くと、先生が住んでおられた・リバーサイド ドライブ・に行き着く。
○ 四十年近い年月を外国暮らしをし、外国にいて日本を思う、外国から日本に帰り、あらためて日本を知る。日本人 になられた先生から、日本をお教えいただく。この厚みある感覚がとても私に馴染む。
○ 北区アンバサダーイベント「ドナルド・キーン日本、そして東京都北区、集りがありました。九十二歳になられる先生がご出席下さる。「五十年前から北区に住んでいました」と、日本語で話される。「北区がとても親切で、旧古河庭園の緑に心ひかれ、とても好きです。住みはじめた頃は、友達は一人も居ませんでした。今では大勢います…」。やさしく、振り返られるように話されるのでした。
○ 先生は北区の図書館にご著書を沢山寄付されました。いつでも、どんなことでも、図書館にゆけば適います。お教えいただいております。

 
 

 


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