※ポインターを写真に

 

ことのはスケッチ (335)『紅茶アニバーサリー・イベント』

案内状を頂いた。何事でしょう。
紅茶の歴史、紅茶のできるまで、紅茶に纏わるエピード、紅茶を頂くマナー、紅茶の美味しい頂きかた…等等、セミナーがあるというのです。
『英国貴族の紅茶文化〜華麗なる背景』
ジャパンテーブルアーチスト協会会長、阪口恵子氏による、ヨーク候がナポレオン三世のおかかえ彫金師に造らせた、銀のアンティークセットを手にいれるまで、のお話。そのセットを使ってのアフタヌーン・ティ・テーブルの演出。
『エリザベス女王の愛したセイロン・ティの魅力』
紅茶コーディネーター、吉川のり子氏の、エリザベス女王が愛したそれ以上の紅茶をと、スリランカで茶畑を経営されるに至るお話。セイロンの魅力についてのお話。おいしい紅茶の入れ方。等等。
『自然との共存〜夏のホスピタリティの空間を極める』
セミナーがひらかれる、ホテル・グランフェニックス奥志賀のオーナー、田島和彦氏のお話。
『ビクトリア時代を再現したティ・パーテー』は、皇太子殿下のヴィオラの先生、東京芸術大学学長を勤められた兎束氏による『日常を超えた生演奏』の調べのなかで。
泊まりがけのセミナー。宿るのは、セイロン島のウヴァ紅茶の栽培されているのと同じ標高、千五百メートルのホテル・グランフェニックス。
この麗しさの中に「アルゼンチンの蜂蜜」も参加させていただくことになり、かくして私も奥志賀へゆく。


咲きのぼったとはいえ、エゾリンドウの濃紫。ほほけてはいてもヤマハハコのふうわり真白。栃の木に茶色の実が稔り。ノアザミもワレモコウもヤマホタルブクロも…咲き残っている季節、熊よけの鈴を鳴らし、高山植物の花々に出会った。
ひんやりと美味しい空気。しっかり地球に立っているという充実感。
こんな素晴らしいところで、セミナーはしっかり行われたのでした。

阪口恵子氏 
少し昔、一ドル三百六十円だったころ、日本から弾き出てしまわれ、英国へテーブルアートの留学をされた。
英国の優雅なティ・ライフ、紅茶の歴史、紅茶のマナー…そのなかにお身をおかれ、紅茶ポット、カップ&ソーサー、ミルクジャグ、砂糖ポット…など、英国の歴史の中から強引に持ち出され、そして彼女のコレクションに収まった数々の銀製品。
こんなに貴重な品々にまじかに接することが出来、ひたすら美しく、ひたすら美味しく、紅茶をいただくためのこまやかな心遣いを教わるのでした。

このときの心地よいテーブルマナー会話術。
○ 会話を独り占めにしない。
○ ホスト側のおもてなしや、サービスをして下さる人への感謝の気持を表す。
○ 個人的な話題に立ち入らない。
○ 嫌みを言たり、プライドを傷つける言葉は言わない。
○ 微笑を絶やさない。
○ 初対面の人たちとも気持よく話す。
セミナーに集った方々、私は初対面なのに、皆さん気軽に話しかけてくださり、とても充実した、和やかな時を過ごすことが出来せたのです。みならい即、実行します。

吉川のり子氏
スリランカ・セイロン島千四百メートルほど、ウヴァ地方に、無農薬、有機栽培の自家茶園を経営され、害虫は一匹一匹、手で取り除かれ、手摘みの、人の手の範囲の納得の紅茶を、自ら創っておられる。
この貴重な茶葉をつかって、フレッシュ・フルーツティ、本当のミルク・ティ、アイス・シナモンティ、…それぞれにそれぞれの紅茶の異なる味わい、雰囲気があること、形にとらわれないで、自身のスタイルで楽しむこと・・・沢山のことを学んだ。

基本のおいしい紅茶の入れ方。
○ ティポット、ティカップを温める。
○ カップ一杯にティスプーン一杯+もう少し、の割合の茶葉をポットに入れる。
○ 沸騰した熱湯をポットに注ぐ。
○ 蓋をして三分〜四分蒸らす。
○ カップに回し注ぐ。
一杯の紅茶に熱い思いが加わりました、格別のウヴァ紅茶、大切に、上手にいただきます。

 
 

 


Copyright (C)2002 Yuri Imaizumi All Rights Reserved. このページに掲載されている短歌・絵画の無断掲載を禁じます。