三河アララギ
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>ことのはスケッチ(353)『FOODEX・2008』
ことのはスケッチ (353)
『FOODEX・2008』
アルゼンチン大使館から電話が掛かる。FAXが入る。メールが届く。
「仙台の方で、アルゼンチン・フェアがあるから、蜂蜜やジャムなど出品して下さい」とか。
「東京マラソンのゴール付近に各国大使館のブースが用意され、それぞれの国の特産品をならべ、紹介する。従って出品するように・・・」などなど。
荷造りをし、送り出す。
品物だけ送り届け、あとは大使館側で何とでもしてくださる、というのが私の得意な参加の仕方だったのだけれど、今度の、世界中から幕張へ、食料品が集まってくる『FOODEX・2008』のアルゼンチン・パビリオンのブースに出展については、気安く引き受けてしまって大変なことになった。
企業説明のパネルが要る。ロゴが要る。ポスターが要る。「要る」といわれるものが、私のところには、何もなかったし・・・。品物を運び込み方、試食用については、保健所へ食品取扱届を出したりしないといけなかったし・・・。
幕張と私の会社の所在地が、とても離れていて、あれこれ電車を乗り継いだ行き来には死にもの狂いだったこと。
「FOODEX・2008」のイベント中、「アルゼンチン・グルメナイト&ワイン試飲会」なる一夜があり、アルゼンチンの食材を使って・・・私の蜂蜜やローズヒップ・ジャムも参加して、無理押しのアルゼンチン・レシピのアルゼンチン式レセプシォンが開かれた。
この時ばかりは、日ごろ世話になっている友人たちを招き、アルゼンチンの“ほんのひとかけ”を見る、且つ、味わって頂けたりしたことは良かった。
因みに、ローズヒップ・ジャムは、ポークソテーのソースに仕立てあげられ、甘酸っぱさがポークに良く合った。
アルゼンチンの大草原の蜂蜜は、アルゼンチン自慢のワイン・マルべックと共に、洋梨のコンポートになっていた、アルゼンチンで食べていたのとみごとに同じ味だった。
アルゼンチンで、一番立派な味は“牛肉”。なにしろ素晴らしい牧草の大草原が、大きな国土いっぱい果てしなく続いているのだから。でも、何度試みても、輸入できない。
アルゼンチンまで食べにゆくより他に方法はない。
地球上の一番遠い国と国と、それぞれ勝手に暮らせば良いのであり、そんなに物を運び合わなくても困難は生じない、といってしまえばそれまでだけれど、以前の生活で、私自身が懐かしかったり、「アルゼンチンには、こんなものがあるのですよ」と知って欲しいもの・・・。
こんな個人的な輸入をしていようと思うのに、だいたいにおいて、私の好むものは、検疫上の問題、前例がない。製造設備の問題。製造工程。成分表。・・・。
「そんなものはない」「そんな面倒ならやめる」・・・などなど。障害は高く聳え・・・それでも、アルゼンチンと日本の何らかの・・・と実らぬ努力をしているばかり。
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