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ことのはスケッチ (355)
『ふくらしの木』
遠いことは分かっている。距離はふまえ物事を推し図っているつもりなのに、地球単位で隔たると、どうもうまくゆかない。
蜂蜜のことを始めて以来、何度目かの蜂蜜在庫不足。「去年の年末、今年の年始」にかけてアルゼンチンへ出掛けたとき、すでに発注済の日本の私へ輸出するべく「注文書」の催促をしてきた。
私の蜂蜜に関する輸入は、四度目になるのだから、輸出方法に戸惑うことは、ないはずだった。「すぐ、発送出来る」ということだった。
在庫が日々乏しくなり、アルゼンチンからは、送り出される様子はない。
これでは、只待ってなんかいられない、日本国内の無農薬蜂蜜を探そう!。
伝をたどり、一瓶見つけた。八ヶ岳っで採っている蜂蜜だった。注文の交渉をすると、「蜂が逃げてしまって、とても今の間に合わない」ということだった。
逆に「蜂を売っていませんか」と質問されてしまった。
「さて、どうしよう」と、鬱鬱しているところに、「無農薬の甘夏とレモン」いっぱい届いた。友達が、送り届けてくださったのだった。
甘夏は美味しいし、食べるもの全部にレモンをふりかけ、気分爽快になった。
荷に付いてきた「みかんの生い立ち」には、鳥たちや狸たちや野生動物が・・・無農薬を分かってか、せっせと食べに来ることが、書かれてあった。
「こんな所だったら、ミツバチだってブンブンいるはず」。
インターネットで調べると、瀬戸内海の島ということがわかった。電話を掛けてみた。
化学肥料は使用しない自然農法でみかん類を作っておられる方と話ができた。
「まだ、みかんの花は咲いてないけれど、花が咲いたら蜂蜜を採ります」といわれる。
その方のいとこさんが、農薬と関係ない、ふくらしの木(くろがねもちに似る)の生えている山で蜂蜜をとっておられるということ。採れた蜂蜜をもっておられること。すぐ、送っていただけること。
オフィスに届いた「ふくらしの木の花の蜂蜜」を試食しているところを、丁度訪ねてくれた友人が、この味に夢中になってしまい、一キログラム瓶を抱き抱え、放さなかった。
私も、「全部自分で食べたい!」と思ってしまう、野生の味がたまらない。
手持ち在庫の限りを送っていただくこと、これから採れる蜂蜜も全部引き受けさせていただけないだろうか・・・という話まで出来た。
アルゼンチンの蜂蜜は、やっと海上にあることにも、少し気分がはれた。
折角、蜂蜜の事を始めたのだから、蜂蜜が身体に良いことはわかっているのだから、安心して美味しい蜂蜜を、皆とわかちあってゆけるように。
私の、天然の蜂蜜を買ってくださった利益は、「養護施設」と、「スリランカの子供たち」の役にたちたいと思っている。
「自分のため」だったら出来ないことも、全部の力で立ち向かってゆける、こんな勇気を私に下さっている「養護施設」と「スリランカの子供たち」と「蜂蜜を食べて、励ましてくださる皆」とに感謝している。
そして、もっともっと役にたてるようになりたい、と思う。
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