ことのはスケッチ(392) 2011年(平成23年)8月

『英訳』

 日本の短歌について、人間の「うた」として外国の人と話し合ってみたい。父母が望んでいたように、世界に向けて発信してみたい。
 「ひとの短歌」を勝手に解釈して活字にするという不謹慎なことは出来ない故、自身の短歌で英訳を試みる。
 英語はネイティブ・スピーカー。スペイン語は、父母、祖父母と会話していた。オーストラリアから最近日本にやってこられたミュージシャン、ダニエルさんとの共同作業。
 形式から、言語を経て、心を通過した「うた」を、英語で書き現してみた。
 短歌が英訳出来たのだろうか。


○ぽつねんと闇ゆく部屋に籠りゐてただただ暗い暗闇となり

 Alone, I become dark, time Passes and
 I'm deep in darkness.

○薄明の空に向へりあと少し地平線に太陽きたる

 The scent of light is upon us
 The sun can rise above the horizon.

○幾十億をくり返しこし地球の朝今朝の光の遍ねし眩し

 Morning has come like so many since the begining of time.
 At the break of dawn. I am immersed in a dazzling light.

○十五光年隔つるベガとアルタイと近くしありぬ私の内

 15 lignt years apart have come together for me to see.

○目に見ゆる形となるを見てをりぬ130億年の昔の光

 I'm looking into the space of yonder
 130 billion years of evolution.

○地球上の時計に測れぬ時といふ大きく小さい宇宙の時間

 Clooks can not measure the time of space itself.

 
 

 


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