ことのはスケッチ(317) 2005年4月

創刊三河アララギ

会員の方々が、私の父母が、とにかく全員で培ってきた三河アララギ誌。今のままが続いてゆくことは何にも増して好ましいと思う。けれど時代の推移は止むを得ない。従来に固執する、今に順応する、万葉の世から続いている自然な思考の中にいる。
三河アララギ誌も、その都度の工夫があり、対応し、続けてこられたのは事実であるし、これからも続けるために、今に対応する必要が生じた。
貴重な会員の方々の年会費で会誌が発行されているのだけれど、会費をすべて費やしても年間の発行費に充たなくなった現状を編集会で話し合った。

○ 会費を値上げする→反対

○ 会誌のページを減らす→皆の短歌が収まらない。

○ 印刷所に値引き依頼→もう無理であること。

○ 三河アララギの発行を中止する→とんでもない。三河アララギは続ける事がモットーであること。

○ 友人の発行している短歌誌のノウハウを聞いた→パソコンで一冊分の歌稿を打込み、安価で発行していると。三河アララギに一冊分のパソコン打込み可能な人の不在。

○ 私の仕事の印刷物をお願いしている印刷所に、現三河アララギ誌と同等誌の発行費用を質す→八万円程で可能ということ。

かくして印刷所が東京新橋に移ることとなる。そこで発生する不安は、私の移動と、ファクシミリ、電話連絡、宅配を頼る、東京の印刷所と愛知県御津との距離→現代の可能性の大きを信じる。

○ もう一つの不安は、旧かな、旧漢字、達筆?、パソコンに存在しない単語と解読不能文字が多い歌稿を、若い印刷所スタッフが読みとってくれるかどうか。→始めてみなければわからない。

時間節約のため、私宅王子から、印刷所の新橋まで、歌稿を届けに、校正を取りに、校正後を届けに…新橋の街並みをかたかたと小走りで。
旧漢字がなく、■のところが多かった校正を、パソコン技術をもってして旧漢字を作りだし、今までを続けて下さった技術の人。沢山の事をお願いし、沢山の質問をして下さって、遅れることなく新発行に至ったことを感謝し、いまホッとしている。

こんな風にして三河アララギの印刷所は変わりました。こうありたい、と思われること、ご意見をお寄せください。私には、もっと活字を大きくして読み易くしたい希望がある。
自身の心を自身の言葉で、自身の短歌に。活字にするということは、世の中への責任が発生することであり、しっかり自身の信念をもって作歌してゆきましょう。

私のインターネットのホームページに「三河アララギ」コーナーがあります。毎月、三河アララギに載った全会員の一首づつを、世界に発信しています。

現在は、御津磯夫の全歌集、全著書の(由利抜粋)の紹介(途中)。今泉米子の全歌集の(由利抜粋)を作成中です。

会員の皆さんの歌集も、この方法か、もっと良い方法でまとめさせていただきたく思っている。

「締め切り」、というありがたい日があります。希望の限りを表現してゆきましょう。

   
 

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