ことのはスケッチ(325) 2006年1月

この頃のこと

ようやく明るみはじめるかな、六時頃目覚める。
寝ている内に、巷では何が起こったか!まずパソコンのスイッチを入れ、TVにも勝手に働いていてもらう。家中のスイッチ全開。

その間、両足の指を一本づつくるくる回し、踝も沢山廻し、足裏は、拳でたたく。両足の指を出来るだけ開き、しばらく静止。足の指でのグー、チョキ、パーを十数回。
腰の辺りを捻るポーズを幾つか。立って全身のバランスを。
思いどうりに身体が動き、すこやかであることを確かめ、自己流ヨガを終了。

フランスパンに、カマンベールチーズをのせ、ドライトマトとオリーブと、季節の果物を添え、はちみつをたっぷり入れた紅茶との朝ごはん。

一日外に居て、帰宅後はもう何もしたくない、何も出来ない。その分、朝出掛けるまでにしておきたいことがいっぱいある。

描きかけの絵を続けてしまったり、図書室に入り込んで資料探しのつもり、インターネットだけでは済まされない連絡なども、朝の内だけしか家に居られないことを知っている子供達や友人達からの電話があり、「一日のことを全部終えたかな、と思うほど充実した時をすごし」・・・九時半に家を出る。

郵便局のこと、銀行のこと、などすませ、地下鉄へ。
「閉じ込められたり、潰れたりはいや」との思いは沢山あるけれど、懐中電燈や、濡れ
タオル、ビニール袋など防災グッズを携え、気持ちを緩和する。私の時間帯、南北線は空いているから、座席につくと、そこは自分の書斎になる。本が読める。決めかねていることの決断も。以前は、飛行機に乗ると「歌」に集中できる、というのが身についていたけれど、このごろは、地下鉄の暗さと騒音と閉じ込められ感から、あきらめて歌にふける。

十時半、店舗兼オフィスに着く。社員二人だけの会社だから、会社という全般に渡ってするべきことをする。
まず、掃除。商品チェック。日計表をつける。金銭出納帳を書く。商品の品数が増え、混乱しないよう。小さなスペースをすこしでも有効に、ストックをふやさない。

そんな作業の間間の来客には、商品の説明をし、経験を話し、買い上げを包装し、ゆっくりされる方には、「お茶など」飲んでいただき・・・。

気付くと二時、三時、四時。もうすぐ夜だから、もう食べなくてもいいかな・・・仕事というをはじめてから五キロ近くやせてしまった。この頃は、「何か」は食べるよう努力している。

日本画にゆく日は、三十分ほどはやく仕事を終え、「何を描こうか」商店街を駅へ向かう。「小さなズワイ蟹」をみつけた。あまり小さいから、「大きく描いてあげよう」という気持になった。

三十分たらずでアトリエに着く。皆、それぞれのテーマに向かっている。私も、ズワイ蟹とじっくり対面。「食べられてしまうだけなのに・・・」「こんなに複雑な、何一つかけても蟹になれない、美しい造型・・・」蟹のひとつひとつのぽちぽちも疎かにせず描いた。人間もこんなふうに、神様は造られたのだろうか。
八時、描く作業を終え、皆と「飲む、食べる」話しはすぐまとまる。

ここがあるから東京でいきていられる、私の大切な「魚料理屋」へゆく。
なまこ酢、カワハギの薄造り、〆鯖、きんきの煮つけ、煮物系、ご飯系、・・・田酒山廃をいただきつつ。

十一時頃帰宅。お風呂。寝る。

 
 

 


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